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【コラム】空人


空飛ぶ美しき狩人


空人は、背中に生えた羽根で空を自由に飛び回ることができる。
その姿は「大陸でもっとも美しい種族」と呼ばれた。

体格的にはほぼ人間と変わらないが、青い髪と瞳、そして透き通るような白い肌は人間のそれとは全く異なる。

美の神アステラは空人を愛でたことで有名だが、その証拠に彼女の残した数多くの詩や歌は、ほとんどが何らかの形で空人のことを語ったものである。
名曲と名高い『君を待つ』は、戦場へ旅立った恋人の帰りを待ち続ける空人の少女の姿を歌ったもので、空人の間でも愛され、歌い継がれた。

空人は、主に狩りによって生活の糧を得ていた。
武器は多くの場合、弓である。
そのため、空を飛びながら弓を射る技術は、空人の男にとって必須のものだった。

弓は競技としても一般的で、男女問わず広く普及している。

空人
管理人によるラフ画

空人はプライドの塊


空人はその飛行能力によって他の種族と根本的に異なる価値観を生み出した。
その思想は民族主義へと発展し、過剰とも思えるほどの種族への執着となる。
そして、自分たちこそが世界を統べるべき存在であるという独善的な主張を軸に、それを阻むものを排除する動きを生んでいった。

彼らは非常にプライドが高く、その主義主張は一貫して強硬である。
尊厳を傷つけられることに非常に敏感であり、一度決めたことはまず曲げない。
短絡的な行動を取ることも多く、謝罪や和解よりも完全決着を望む。

ひとことで言えば、頑固者だ。

そのことが、必然的に彼ら種族の歴史に大きく影響する。
当然、争いを避けられる民族ではない。

美しい外見とは裏腹にその内面は闘志に満ち、熱しやすく覚めにくい性質は「大陸でもっとも争いを好む種族」とも言えた。


リュウとの関係


空人の文化が栄え始めたころ、まず最初にぶつかった敵はリュウであった。
リュウは空人同様、空を生活の場としていた。
他に空を飛ぶ有力な種族もなく、(少なくとも空人側は)相手を意識するのは当然だった。

創造神から優れた能力を与えられたリュウの一族を、空人たちが快く思わなかったことは言うまでもない。

リュウの側はさほど気にも留めていなかったようだが、空人側は次第に対抗意識を燃やしつつあった。
それが爆発のは時間の問題だったのだ。

きっかけはひとつの事故だった。
嵐の夜に、狩りから帰る途中だった空人の一団がリュウと接触。何人かの死者が出た。

謝罪を求めた空人側に対し、リュウ側の取った態度が火に油を注ぐこととなる。
リュウは空人を「羽虫」と呼び、まともに相手にしなかった。

激怒した空人側は、宣戦。のちに空中戦争と呼ばれる激しい戦いの幕が下ろされた。

人間との抗争


リュウとの抗争が沈静化したのち、しばらくは平穏な時代が続いた。

だが、今度は地上で人間が台頭し始める。
優れた知恵と組織力で、人間の勢力は瞬く間に広がり、他の種族は数で圧倒されることとなる。

彼らは人間以外の種族を「亜人」と呼び、差別した。
このことが空人の自尊心に火をつける。

しかし、直情的な空人の行動は、彼らの立場を危機に晒した。

各地で空人と人間との小競り合いが発生した結果、人間は完全に空人を敵として認識。
本格的な「空人狩り」が始まる。

数的な不利を無視して直線的な戦いを挑み続けたことで、必然的に空人は追い込まれていった。
やがて、戦局は絶望的な局面を迎える・・・。
 posted by Y.I (admin)